ネタバレ
前後篇まとめ、暴力団の栄枯盛衰は各国共通
時に狂暴な獣性を覗かせることもあるが、常にビシッとしたスーツにクールな二枚目顔。
やっていることは野蛮な日本の暴力団と変わりないくせに、スマートすぎる外見が残虐さを帳消しにするかのような奇妙な描かれ方をしていた英国マフィア。
合計4時間余りの超大作ではあるが、最終的に1.7倍速まで上げ3時間弱の迅速視聴。
だから筋を追えなくなりそうになる場面もあったが、後の方で合点できるようなシンプルな構成だったので結果はオーライ。
スマートに視聴できたのも功罪相半ばするところ。やはり主役の双子ギャング(及び取り巻き達)はどれ程頑張っても〝悪が滲み出ないベビーフェイス”。
実在した兄弟達もハンサム顔だったのかもしれないが、視聴者が嫌悪憎悪を感じざるをえなくなるような醜悪顔で極悪演技できる俳優の方が良かったように思われる。
予算的制限もあったのだろう。米国ギャング映画などにはつきもののど派手な銃撃アクション・カーアクションがなかったことも結果的に英国的ジェントルな味わいを醸成。
映画の主題はこれ以上ないほど明確。
「手の付けられない凶暴さで恐怖支配する暴力団も永久には続かない」
なのだけれど、裏を返せば狡猾にドラッグや売春、臓器売買などシンジケートを組んでいる連中は暴力支配よりは〝少しは”延命できるのかもしれない。
本作のギャングたちはドラッグに手を染める手前で壊滅させられ、一般市民を巻き添えにすることは比較的少なかったようなので(←とはいえ酒場経営者はみかじめ料ピンハネされるかはした金と〝脅迫”で営業権をしぶしぶ譲渡されられ、ボスの奥さん自殺しちゃったけど・・・)、その点では相対的にはまだましだったのかも。←そんなわけないよなぁ・・・
総評2.5
002011