Lana

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のLanaのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

●観てて、ツラい。映像は綺麗でドラマチックだったけれど(←言うまでもなく)、だが、あまりストーリーに魅力を感じない。それ以前に、魅力を感じるとかどうかとか、そういう次元で語れる作品ではないのかもしれない。お門違いなのか。人間同士で摩擦を起こしまくっていて、その不快な感情の描写が見事すぎて逆にキツい。まあつまり、その点はお見事としか…

俳優さんやばいですわ。

特に、ジョンがウィルを拒絶するときの、少し呆れたような困ったような、それでいて失望したような、表情、視線の落とし方、声色。私のトラウマにドンピシャ。私が過去に、私の人生の中で心の底から誰よりも好きになった人から、全く同じように拒絶されたことがある。英語でこういう作品見ると、個人的に彼のことしか思い出さない。言語まで同じだからしんどい。いつこの呪縛から解放されることやら。それは私の話だから見事に脱線だね…関係ねぇや…




●申し訳ないが、脚本や人物の描き方で気になった点がいくつか。

★女性陣の心情変化がよくわからない。

①あれほど頑固な女性記者が、ルパートの、あれだけの啖呵で、そう簡単に心変わりするものだろうか。ころっと態度を変えて、ラストに向かってニコニコと、素直に、ルパート側の人間に、そう簡単に変化するものだろうか。ラストの爽やかな感じへの運び方がやや強引に感じた。

②母親たちが中盤以降、突然息子と和解するのはどういうわけだろう。序盤では母と息子が衝突しあうわけだが、かなりひどいことを言い合うし、えっ?という言動が見られるので、そんなに簡単に解りあえるものか、と疑ってしまう。
母親として本当に子供を愛しているなら、そのアクションは違うだろう…まずは子供を頭ごなしに否定しないで、嘘だと決めつけないで、どういうことだったのか感情を抑えて耳を傾けるところから。よほどイライラしていたのか。仕事に家事に、心の余裕を失っていたのか。…そう考えると納得できなくもないか。あとしっかり子供に手をあげて体罰しているし。子育てしたことのない身で偉そうに本当に申し訳ないけれど… シンプルに、私があまり好かない女性のタイプなのかもしれない。

たとえ自分の子供でも、自分が支配していい”モノ”ではないと思ってます。いうこと聞かせて、”ダメなものはダメ”という合理的な理由のない親の観念の押し付け。監督責任はあろうものの、全てのことには理由があって、まずはそれを説明するところから。サラはルパートを自分の支配物か何かだと思っているのか?子供宛の手紙は、その子供のもの。勝手に読むとかありえないんですけど… 嫌い…



★全体を通して、リアリズムには満ちているかもしれないが、ドキュメンタリーに近いというか、かなり平坦で起伏のないストーリー展開だと感じた。…そう感じるのは私だけか。なんだかありきたりで驚きの要素がない。そのストーリーを、演出によってあまりにドラマチックにしすぎでは…という印象を受けたシーンが散見。個人的には… ごめんなさい、脚本(ストーリー)はそんなに面白くない。





残念ながら私好みの作品ではなかった、という、それだけ。結論。
Lana

Lana