この曲に色があるなら…ピンクと赤
しばらくずっと子供返り状態だった父がいよいよ危ないということで呼び出された娘。元より、母が亡くなってからは疎遠だったようで、病床で昏睡の父を見ても淡白な感じ。これを機に戻って来た父の友人と共に、実は良く知らない父の事を辿ることに…
一方で当の父トム。彼の末期の記憶は孤児院時代にまで遡る。最後の雪の魔法なのか、突然動き始めた雪だるま・ホワイトさんの誘いで夜の空へと飛び立っていくトムは、自身の思い出と音楽に向き合うことになって…みたいな。
フィンランドのお送りする、ダークファンタジーの皮を被ったミュージックビデオの皮を被った愛の物語。
雪だるまで飛行し、ムード歌謡メタルが始まり、ピエロが踊り散らして、マジシャンが紙を消し、爺がジェットコースターに乗る…支離滅裂！戦いそうなジャケットは普通に詐欺！
本筋のドラマパートは後半までとんでもなく退屈なのに、異様に面白い夢パートの描写と謎のカッコイイバンドの音楽で無理やり引っ張り上げてくれて、気が付いたら面白くなってます。こう…お話作りはマジで下手だけど、絵はピカイチな人に自由に描かせたような感じ。クセつよ〜…
そこかしこでセンスらしき物が輝いていて、一概に駄作とは言えないそんな奴。
「退屈！」で終わる人には確実に退屈で、「なんか妙に好き…」って人はなんか好き…たまに見かけるそういう映画です。僕もなんか好き…
個人的に気に入ったのは、デス雪姫、スタイリッシュ拳銃自殺、フルフェイスカバー兵隊です。
