ルサチマ

風櫃(フンクイ)の少年のルサチマのレビュー・感想・評価

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)
4.6
フランス映画みたいなワイドでカラーな映画だった。
台湾の海辺の田舎町、風‪櫃で喧嘩に明け暮れたり、女にだらしなくちょっかい出してた不良少年が最初全く受け付けなかったのに、見終えた頃のこの感動はなんだ。
大嫌いな不良少年が愛おしくてならない。

斜め向かいの家に住む同僚が窃盗で日本へ逃亡し、同棲していて一人取り残された女にアチンが恋をする設定はクーリンチェの小四と小明、ハニーの関係性を連想させる。

父と幼少期アチンの思い出の回想シーンや、船の故障で日本から戻る元カレから台北へ逃げる彼女を見送る数ある重要なシーンでセリフを一切観客に届けず遠くから眺める控え目なロングショットが印象的。
親切な見せ方でないのに、その余白でどっと感動した。
侯孝賢マジックだ。めっちゃ好き。
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