ルサチマさんの映画レビュー・感想・評価

ルサチマ

ルサチマ

女体(じょたい)(1969年製作の映画)

4.5

確かに凄いが、その凄さとは多くの人が語るようにこの映画の浅丘ルリ子をただ純粋に愛を求め動く女の運動にあるのだと見なすことにあるのではない。そもそも彼女は愛を求めて動いているわけでもない。
冒頭で岡田英
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宗方姉妹(1950年製作の映画)

5.0

こんな芝居見たことない。江戸の歌舞伎の上演がロックコンサートのような空間だったとしたら、この高峰秀子の狂言回し的芝居はロックンロールそのものだ。これは誇張した表現なんかではなく、突然、音楽を口ずさんだ>>続きを読む

関の彌太ッぺ(1963年製作の映画)

4.3

学生時代に授業で見た。情緒ありすぎる気もしなくはないが、命懸けで助けた女からは何も覚えられちゃいないっていうシビアさが渋くて良い。

美貌に罪あり(1959年製作の映画)

5.0

増村の全てが詰まってると思う。強烈な批評精神に満ちた信じられない国宝級の大傑作。

闇を横切れ(1959年製作の映画)

4.8

増村の中でもとりわけ政治性の強固な映画ではあるが、いかなる増村映画であっても共通して思い出すのは、映画の登場人物は漆黒の時代下に革命の呼びかけを懸命に続けていた姿だ。川口浩の若く青臭い反転の身振りがカ>>続きを読む

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

4.7

「ルーシーに捧ぐ」のクレジットで抑えきれず涙が出た。ライカートの眼差しで切り取る空間の景色とサウンドは個人的な「わかる」感覚を最高のクオリティで叩き出していて心が震える。同世代に限らず、基本的に人を心>>続きを読む

お早よう ニューデジタルリマスター(1959年製作の映画)

5.0

再見。学生時代に廣瀬純の演習に潜り込んでいたおかげで毎年必ず繰り返し観させられた。

東京暮色(1957年製作の映画)

5.0

再見。小津映画の中でこれほどまでに言葉の響きが切実に聴こえてくる映画はあっただろうか。もちろんそれは声だけにとどまらず、最後の子供をあやすおもちゃの音の響きなど、細かな美術装置の音の聞こえ方にも当ては>>続きを読む

THE BOOST/引き裂かれた愛(1988年製作の映画)

4.8

淡々とテンポよく展開される人生の上昇と転落がなによりも暴力的で絶望に陥れる。ファーストシーンから芝居のテンションと距離の生み方が巧くて驚く。俳優たちへの演出のみならず、浮遊するプールの水面からビーチは>>続きを読む

東京画(1985年製作の映画)

4.5

小津の描いた東京の物語は世界共通の家族像だと語るヴェンダースの指摘は、全くその通りだと同意する。小津の描いた聖地・東京の姿はこの映画が記録された80年代にさえほとんど失われており、このご時世でオリンピ>>続きを読む

セノーテ(2019年製作の映画)

3.0

水中の映像より陸地の映像の方がいい。
ナレーションの言わせ方が芸術ぶってて好きじゃない。

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

5.0

再見。ファーストカットからラストカットまで終始固唾を飲んで画面を見続けざるを得ない。真のハードコアと呼ぶに相応しい傑作であり21世紀以降のアメリカ映画史で最も革命的な政治性に基づいて製作された最高傑作>>続きを読む

THE JAPANESE TRADITION 〜日本の形〜(2006年製作の映画)

4.2

ラーメンズをめぐる言説があまりに馬鹿馬鹿しくて腹立つが、もはや敵の姿は明らかになった。自分の手を汚すことなく文脈もなしにとりあえず叩くオリンピック反対派と、何も考えずにとりあえず解任をしてやり過ごそう>>続きを読む

マンディンゴ デジタルリマスター版(1975年製作の映画)

4.5

フライシャーによる見せ物化された喧嘩を今こそ人類は観て、自分の中に潜む差別的暴力に対して加担してしまう快楽の存在を自覚した方がいい。とりあえずラーメンズのコントについて文句を言ってる奴らは、彼らのコン>>続きを読む

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

4.7

ひたすらに境界を超え続けるカメラに捕らえられ続ける少年少女が死を求め運動する革命映画。ここでも『瞼の母』の台詞が。

書かれた顔(1995年製作の映画)

5.0

レナート・ベルタの室内空間の撮影は超越している。歌舞伎のドキュメンタリーではあるが、ベルタの撮影が映す彼らの舞台上の表現は映画としても大変素晴らしい。舞台芸者をここまで見事な映画のカメラで捉えた映像を>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

5.0

2021年読んで好きだった漫画
亜蘭トーチカ『たぶん悪魔が』
きらたかし『赤灯えれじい』(読み切り)
次点で藤本タツキ『ルックバック』

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.6

オフビートぶった恋愛映画に真っ向から反抗する論理展開で無茶を突き破るスラップスティックコメディをやってのけた。これこそカンヌ脚本賞あげるべき年間ベスト候補!

成田凌と清原果耶がこんなに良い役者だと思
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瞼の母(1962年製作の映画)

4.4

『東京公園』の榮倉奈々がこの映画を観てない三浦春馬に「教養のないやつはこれだからヤダ」と言い放つくらい傑作なので観た方がいい。もちろん今日という日は『東京公園』と一緒に観たらいいと思う。

走り来る男(1989年製作の映画)

4.6

異性間の接近を問題にし続けてきている映画の中で、映画終盤の長回しの中でごく自然にステヴナンの禿頭を触る奥さんの身振りは、それだけで発明と言いきれるほどに軽やかでありながら、僅かな官能性も孕んでいるよう>>続きを読む

色情団地妻 ダブル失神/わ・れ・め/笑い虫(2006年製作の映画)

5.0

2021年7月18日

再見。これほどまでに息苦しく切実な愛の活劇を知らない。堀映画の人物たちは決して相手の台詞に影響受けることなく、徹底した個の音声を手に入れているが、今作はその音声への意識が最も顕
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奈緒子(2008年製作の映画)

4.9

私的な思い入れではあるが、7月18日は現代映画を担う最高峰の宝だと思っていた堀禎一と、三浦春馬の命日だ。一年前の7月18日は堀禎一の追悼特集を神戸まで観にいった帰りに、三浦春馬の訃報を知り、帰りの新幹>>続きを読む

わがままなヴァカンス(2019年製作の映画)

4.3

ひたすらに外側からグループを捉えるロングショットと、彼らの内側にカメラが入ったときの、漂いながら落ち着くことのないクロースアップの切り返しの使い分けは中々目を見張る。そしてなにより、船内でヒロインと男>>続きを読む

すべてが許される(2007年製作の映画)

4.7

2回目 2021年7月17日 @横浜シネマリン

映画に出てくる文学部卒業後、出版社勤務の男は碌でもない大人が多すぎて、自分の将来の姿を見てる気持ちになるから憂鬱。

1回目 2020年5月24日
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父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

4.6

小学生の頃、その日の日直の生徒が3分間スピーチをさせられるという地獄の制度があって鬱々としていたのだが、全然話したりしたことなかった不良の女の子がスピーチの中でイーストウッドの『硫黄島からの手紙』を観>>続きを読む

スペース カウボーイ(2000年製作の映画)

4.7

ジジイたちの青春映画にグッとくる。
ジジイになってもこんなにバカで溌剌と若者に対抗心燃やして粋がりたい。散々若者達への継承の物語を描いていたイーストウッドが今作ではあくまでチームに夢を託していたことに
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.9

生理的嫌悪感を過剰に演出して、汚れを芸術的に描く嫌らしさや、90年台に岡崎京子が描いた風土をとりあえずなぞってみたような紋切り型のリアクションで捉えていることも許し難いが、吉沢亮のぶっきらぼうでありな>>続きを読む

テラスハウス クロージング・ドア(2015年製作の映画)

3.9

蓮實重彦がwebちくまでテレビの醜さについて、タレントが身につけたマイクの存在についてユーモアを交えて語っていたが、そんな蓮實には是非とも『テラスハウス』を観てもらいたいし、テレビバラエティとは思えぬ>>続きを読む

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

3.8

1作目のクリストファー・マッカリーが手がけた『アウトロー』の方が遥かに渋くて洗練されている。マッカリーはもっと評価されていいアメリカ職人監督だと思う。

吉野葛(2003年製作の映画)

4.6

素晴らしい傑作だと思う。谷崎の『吉野葛』の舞台に降り立ち、書かれた言葉の情景をカメラの前で捉えるという行為に、「映画とは他者の夢を物質化すること」というストローブ=ユイレの言葉を思い出させる。

合田
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.7

3回目。

上田秋成は飯の描写を詳らかに美味そうに描くという点において別格の書き手であるが、その美味そうな飯というのは素材に加えて土着的な汚れが含まれていることが何よりも批評的であり、つまりは小説の美
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.2

原作のチャック・パラニュークによる「タイラーはぼくにウェイターの仕事を紹介し、それからぼくの口に銃を突っ込んで、永遠の命が欲しいならまずは死ぬことだと言った」という書き出しが大好きです

映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

4.1

ハイスクールユートピアが広がってる。
映像研の3人は唯一、家庭の生活様式が示される山下美月をも含めて全員が部室を帰るべき場所として見出そうとする。
同じハイスクールユートピアを描いた傑作『妄想少女オタ
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ガントレット(1977年製作の映画)

4.6

ガキの頃、録画したビデオを擦り切れるほど観た。イーストウッドの取る行動があまりに頭悪くて、キャラハン刑事とは似ても似つかない落ちぶれた刑事が警察組織に向かってバスを走らせた瞬間にイーストウッドの生き様>>続きを読む

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