eigajikou

ノー・エスケープ 自由への国境のeigajikouのレビュー・感想・評価

3.5
試写会で鑑賞。
社会背景描写や、登場人物についての説明は殆どなく、
実はあまり重要ではなかったりする。
もちろん背景にはメキシコ麻薬戦争とアメリカ側の国境警備自警団を追ったドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』に
描かれているような過酷な世界がある訳だけど、
ズバリ、原題の「Desierto」通り砂漠でのサバイバルアクションを見せる映画です。
(邦題はちょっと無理ヤリな意味付け感なので、
気にしない方がいいです)
地を這うようなカメラワークやロングショットなどを効果的に使い、
時々ビクッとしてしまうような音響効果で
ドキドキ感を煽ります。
ホナス・キュアロン監督は『ゼロ・グラビティ』で父アルフォンソ・キュアロン監督と共同脚本を手掛け、スピンオフムービーを制作。
『ゼロ・グラビティ』のサバイバル・アクションを砂漠でやったのが本作という感じです。
個人的には色々先を読んでしまったし、
展開が予見不可能とかってタイプではない。
時事社会派ドラマ的な事は期待しないで、
砂漠での容赦ない人狩りから逃げる
サバイバル・アクションを見たい人向け。
砂漠の臨場感は存分に味わえます。
喉がヒリヒリ乾いて、
目に砂埃が入ってショボショボしそうに感じました。
最近観た映画では『ハードコア』に近いかも。
ガエルちびっこでも頭を使い相当頑張ります。
ジェフリーもぴったりな役でした。
でも一番の好演はジェフリーの愛犬「トラッカー」役のワンコかも。
賢くて獰猛。もうムッチャすごいスピードで走る、走る!
これだけ犬の走りをカッコよく見せる映画も珍しいのではないでしょうか。
88分の尺は優秀ですがもう少し刈り込んでもいいくらい。
ホナス・キュアロン&ガエルコンビの新作怪傑ゾロのリブート「Z」(原題)が楽しみだ。
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