ここ四年だけでも
皆殺しのバラッド
カウンセラー
カルテルランド
ボーダーランド
と、米墨国境地帯が舞台となる作品があった。カルテルの勢力拡大による、麻薬戦争の激化がその背景にはある。
それ以前から米墨越境それ自体をテーマにした映画は多かった。一連のマッカーシー原作ものや、『三度の埋葬』などがそれである。
そんななかで、『ノーエスケープ』はまさにトランプ時代のあらたな米墨国境地帯/越境の映画だといえよう。
トランプ時代を生きている我々に、解説など不要だろ? とばかりの超シンプル構成。移民へのヘイトと自警団。それはもはや前提としてこの映画にある。
手に汗握る追走劇であるが、彼らのその後を考えると、問題は結局何も解決してないのではないか。トランプこそが裏主人公の映画だ。残念な時代になってしまった