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メッセージのcbapのレビュー・感想・評価

メッセージ(2016年製作の映画)
4.9
話は少し違うが、自閉症の特集を見たときに感じたことを思い出す。
自閉症の方が突然笑ったり泣いたりするのは、現在ではない時間の記憶や感情にフラッシュバック的にリンクしてしまうためだというような内容だったと記憶している。時間感覚が軸のようなものでなく、面とか空間のようなのかなと思う(正確な表現ではないかもしれない)。
これは社会生活上は確かに支障がある。だけどとても大事な事を教えてくれた気がする。
1本の時間軸の上を歩いていれば、過去は過去として認識し思い出として取出すという作業に過ぎないかもしれないが、それはそう考えるからであって過去も現在も未来も1つの形状の1面として認識できるのであれば…

たとえば別れは辛く寂しい。現在という断片しか見れないからもう会えないと思うし悲しい寂しいばかりになってしまう。でも人の運命や人生は失った今だけじゃない。別れという悲しい今だけが本質じゃない。今まであったこと全てが全体像のはずだ。
そう考えると大事な人と死別する喪失感や自分が死ぬことの恐怖が、ほんの少しだけど違った見方ができるような可能性を示してくれた気がするし、過去も現在も未来も、どれも等しく大切にするべきだと考えさせられる。

…ということを思い出したという話でした。
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