思ったよりも難しい話に感じなかったのは、SFとは概して外からは難解そうに見えても中に入ってしまえばただ楽しく時間を過ごせる物だからか。それは丁度、禍々しく感じられるエイリアンも対話に取り組みさえすれば恐れる必要などないとすぐ分かるのによく似ている。それはさらに、見ず知らずの男女が知り合い、愛を芽生えさせるのにも、敵と目し合う国同士に協力体制が生まれるのとも重なる。それはまた、心に浮かぶ感覚を言葉という容れ物に落とし込む行為とも共鳴する。それはきっと死で、それはきっと生だった。Very beginning of the end. 「いつか死ぬのにどうして生きてるの？」という質問に対するひとつの答え。
