カシム

メッセージのカシムのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のシーンは過去の回想かと思いきや
ストーリーが進むにつれ、実はそうでは無かった。
時折フラッシュバックの様にルイーズの脳裏に視える光景も過去シーンかと思いきや、後半の「このイメージは何を意味しているの?」というまさかの発言にビックリ。

宇宙からきた彼らの文字が「時系列になっていない」というのがこの映画の伏線にもなっていて、実はこれまでのイメージは全て未来のビジョンで、ルイーズが彼らの言語を理解し始めた事で未来が視えるようになりつつある、という事を意味していた。

この未来視の技術で、知りたい情報を先読みするという「卵が先か鶏が先か」問題のようなパラドックスを含むテクニックで世界を危機から救う。

この技術が必要になる来るべき3000年後に何が起こるのかは結局分からず終い。
なぜ人類を彼らが助けに来てくれたのかもよく分からずだか、この作品の本質はそこでは無いから細かい事は端折ったのだろう。


この技術を世に広める事で、彼らの文字を理解した人類は、皆ルイーズと同様に未来が視えるようになるんだとすると、何だか凄い混沌とした世の中になりそうな気もするなぁ、、、
(まるでジョジョの奇妙な冒険パート6でプッチ神父がやろうとしていた天国の時の再現に近い)
先読みを悪用したり、ギャンブルとか成り立たなくなるものも出てきそう。
果たしてそれは幸せなのか?

別れると分かっていても
将来難病にかかることがわかっていても
その選択をするだろうか?
過程で得る幸せと、その先の悲しみ
天秤にかけられるものではないが、考えさせられる。

産まれてくるはずの我が子に会いたいという気持ちがきっと勝つだろう。
そして、来るべき時が来るまで精一杯の愛情を注ぎ、力いっぱい抱きしめて思い出を沢山作ってあげたり、、
想像しただけで、ナントも言えない感情が込み上げる。
(このテーマでもう一本続編作れそう)