「サピア＝ウォーフの仮説！！！！」言語学を専攻している身として言語学的側面からめちゃくちゃ面白かった。
「言葉（word）りんご」と「物事 赤くて丸い果物」があるとして、言葉が先にあるのではなく、物事（赤くて丸い果物）があって後から言葉が付随する。人間が名前を付けるように。
懐かしさ（nostalgia）という言葉が存在しない国では、物事に懐かしいと思う感情そのものが無い。
言葉はそれ自体は意味を持たなくてシンボルでしか無いが、謎の物体が持つ言葉によって未来が見えるという、新たな思考・考え方を受容できるというのがミソ。
つまりエイリアンが当たり前のように「未来を見る」ことが可能なのは「それに付随する言葉を持っているから」国同士がバラバラである現状を言葉を教えることによって解決させるという最終目的も面白かったな〜〜
例えば日本は過去を重視する一方で、過去という概念がない国もある。エイリアンの片っぽうが多分死んだ時「死に至る“過程だ”」と現在進行形で言っていたのも、言語による時間の捉え方の違いを表しているようで、細かくシナリオされてる〜っ痺れた。
言語の持つ可能性を知っているからこそ諦めずにことばを通じて理解を試みた言語学者ルイーズの、学者魂を見せつけられた…..
中国語ペラペラだし。言語学の教授が執筆なさったレビュー見てみたい。
また世界平和の観点プラス彼女が見た未来に対して、普遍的な人間の生きる過程と、時間に争わない選択という話も取り入れられて良い。
ルイーズが既に子を失っていてその後を描くストーリーだとミスリードさせてからの、未来の話だったというオチ。
全てを知った上での最後の“Yes”痺れた…..
