未知の宇宙人との意思疎通を託された、言語学者の物語。
普通に考えれば、ハリウッド大作になるとは思えない、テッド・チャンの短編にどうアプローチするのかと思ったが、これは脚色が見事だ。
原作は、宇宙人とのコミュニケーションの現場に絞ったシンプルな話。
対して映画は、もしも意図のわからないUFOがあちこちに居座ったら、世界はどう動くのかと言うシミュレーション的視点を加え、極めてスリリングに盛り上げる。
しかも原作のエッセンスを完全に保持したまま、スケール感のある娯楽映画に昇華しているのだから畏れ入った。
これは言語をモチーフに、世界の見え方と私達の存在する意味を哲学する、美しく詩情あふれる物語。
ランダムに挿入される主人公のフラッシュバック映像の意味を知った時、観客は深い思念の海に沈んでゆくだろう。
優れたハードSFの多くは、同時に味わい深い詩である。
しかし本国公開は来月なのに、日本公開が来年のGW明けって何考えてんだろう。
これ、もしかするとオスカーもあるぞ。
どうせ本国公開後にはネットに情報が溢れるし、これは見方によってはネタバレがいかに無意味かという話でもあるのでw
いっそ原作読んじゃうのが、より深く観られて良いと思う。
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