他のピクサー作品と比べても、魅力的なプリンセスとか愛くるしいキャラクターとかが出てくるわけでは無いし、舞台もメキシコとなかなか玄人感のある設定なので、一見地味な印象はあり。
お祭り騒ぎが売りのアナ雪番外編を見た後だと、それをより一層感じる。
でも！でもですよ、その分映画全体のテーマが実に力強く、鮮やかに描かれていて、人間ドラマという部分では他のピクサーにも全く引けを取らない。
ピクサー伝統の様式美は残しながらも、キャラクターに依存しない物語の新たな掘り下げを見せてくれた。
自分が何者かを知りたいと思った時、
何をするだろう。
まずは、これまでの生い立ちを振り返ることから始め、今の気持ち、そして未来への原動力を探って行く。
そんなところでしょうか。
でも時には、自分の中に脈々と流れる血の存在であったり、紡いできた絆の歴史に思いを馳せてみたくなる。
そこに、自分の奥底に温めていた何かを重ねてみたくなる。
そんなミゲルの渇望感に胸が熱くならずにはいられないし、その絆があんなにも最高な歌であるならば、華金を断って初日に駆けつけた自分を少し褒めてやりたくなりました。
