愛も夢も金も人生におけるすべてを手に入れてもまだ物足りないという強欲な人間たちを描いたグレイトショーマンならぬエゴイストジャックマンや、ララランドではなくあらランドなどの吐き気がするほど気持ち悪い胸糞ブルジョアムービーが猛威を奮い興収を掻っさらう世知辛い世の中に降り立ったプロレタリアートを地でいく傑作の誕生。ありきたりかもしれないが忘れがちな人は二度死ぬというテーマも老若男女バッチリ全盛期の小坂ばりの守備範囲を誇るピクサーの手にかかれば安心安全に大号泣できる。大歌手デラクルスをコンプライアンス上のというかお客様のご意向に即して排除しなければならないマイノリティの黙殺は残念だったというか仕方ないが、世の中よく見渡してみ、成功者ってすんげぇ数の屍の上に立ってるから。この点は写真を撮られてぶーぶー言ってる芸能人ぐらいムカついた。出て来た犬がイニャリトゥのアモーレスペロスに出てたような闘犬スタイルでそこら辺のクオリティも詰められてる。にしてもやっぱり死後にも世界は続いてるって概念は万国共通なのな、死んだらもう自然に還してよ。一度目と二度目の死が同時に来そうで怖い。
