tafelanatomie

リメンバー・ミーのtafelanatomieのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.8
字幕版を予約したと思ったら、吹替版だったという、相変わらずのボケボケぶり。

瓢箪から駒?に期待しつつ鑑賞したのだが、これが大当たり!今まで観たディズニー映画の中で間違いなく1番、文句無しで面白かった!字幕版だろうが吹替版だろうが関係ない!

また、それだけのみならず、映画の内容が、考えれば考えるほど自分のことと重ね合わせざるを得ない、素直にそう思える貴重な体験となった。

当方実家がお墓が近くにあり、お墓参りが当たり前だったところから、会ったこともない故人のこと、祖先のことを考えることが、小さい頃から日常的にあった。

それは、大学生の時に祖母が亡くなってから頻度が増した。

祖母が生きていた頃、祖母が遊びに来ることが憂鬱だった。その憂鬱さが祖母に辛く当たらせた。思春期特有の素直じゃない感じがそうさせたのかもしれないが、今でもそのことを思い出しては後悔している。

祖母がなくなってから数年後、ある時思い立って祖母の墓参りに行った。罪滅ぼし、ある種のみそぎ、だったんだと思う。

墓に着いて、掃除して、お水替えて、花をセットして、お線香上げて、拝んで、、そして、本当に自然にお墓に向かって祖母に話かけた。何を話かけたか、10年以上前なので覚えてはないのだが、子供みたいに泣いた。久しぶりに祖母の前で素直な気持ちが出せたような、、、

それからと言うもの、年末年始、お盆、お彼岸、命日、行ける時は出来るだけ行った。行くことに、もちろん何の見返りもないし、特に信仰という訳でもないし、しいて言うなら祖母に会いに行っていたんだと思う。誰かに会いに行くのは、その人に会いたいからに他ならない。行きたいから行く。会いたいから会う。それだけだった。

ようやく映画の話!

ミゲルが死者の世界に足を踏み入れてすぐ、ミゲルの先祖たちと出会うシーンで、ミゲルのことを当然のようにミゲルと呼ぶ祖先たち。ここがとても不思議だったのと、あと自分にとって大きな感動だった。

当たり前のことなんだけど、ミゲルのことを先祖たちが知ってる。なんでこんなに新鮮に思えるのか。

ミゲルは自分の先祖のことをさんざん写真で見て来たんだろうし考えてきただろう。でも、先祖がミゲル生まれてからずっとミゲルのことを見てきたとミゲルは果たして考えていたのだろうか、少なくとも僕は自分がそういう風に考えてなかったけど、向こうが見ていることに気付いた時に、それは一方的ではなく、両方がお互いを思いあっていったことであり、いたく感動した!

見ていたと思ったら逆に見られてた、というのは映画ではよくあることだし、そこで心を動かされることも多い。

このシーンで、今まで自分が祖母に対して行ってきたことを十二分に汲み取ってもらえた思いがした。

今まで多少苦手と思っていたディズニー映画で、こんな体験が出来るなんて、全く思いもよらなかった。製作陣と、この映画に誘ってくれた妻に感謝したい。

祖母は僕が墓参りにきた時に喜んでくれていたのだろうか、いや、喜んでいた、そう信じたい。
tafelanatomie

tafelanatomie