あんじょーら

ぼくのエリ 200歳の少女のあんじょーらのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.0
ホラー映画なんて久しぶりなんですが、良質なホラー作品でハリウッドであのクロエ・グレース『ヒットガール』モレッツでリメイクと聞いて見ることにしました。スウェーデンの映画、お金はかかってませんが確かに良質なホラー作品でした。ヴァンパイアを扱ったホラー映画です。なので今回は完全ネタバレなしです。



雪国スウェーデンの都会で離婚した母と2人で暮らす12歳のオスカーはクラスメイトのいじめを受けているが声に出せないでいます。そのうっぷんを中庭で木をナイフで切りつけたり、新聞の猟奇殺人の記事を集めたりすることで消化しています。ある夜、隣りに老人と2人引っ越してきた女の子エリに中庭で出会い、ちょっと意味深な台詞を交わしたことで親しくなったのですが、彼女の周りで不思議なことが起き・・・というのが冒頭です。



まず、やはりなんと言っても雪景色広がる世界に、幼い(と言える)少年少女の、しかも北欧らしさと言うべきかきめ細かな子供の白い肌に、鮮血が飛び散る(が、決してスプラッターではない)絵が既に背徳的で、妖艶で、何より画面に映えます。物語的にも、キャラクター的にも、そしてある種の動物との対決(?)のような部分も、もう少しなんとか出来たのでは?という感触が無いではないです。が、それを補って余りある魅力溢れる作品です。キャスティングに、オスカーではストレートで細かな金髪でとても白く健康的な肌を持つ男の子と、エリではカールした黒髪にミステリアスな表情が似合い病的なまでに透き通った白い肌という、対照的な2人が絶妙です。



含みを持たせ、様々な捉え方が出来るストーりィをどこまで想像膨らませるか?でも受け手の印象が変わってくると思います。


ただ、圧倒的にダメだと思うのが邦題なんですが、これセンス無いと思うのは私だけではないと、思います。


映画「キャリー」が好きな方にオススメ致します。