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ぼくのエリ 200歳の少女のICHIのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
1.3
怖すぎるが、ザ・映画という感じだった。
報われないが、現実はこういう構図もあるよね、とある種の諦めを感じさせながら、悪い方に悪い方に向かう物語をただ、ローマの休日に流れていそうな昔風の美しいオーケストラと共に、ロミオとジュリエットのような悲壮感を以て進めてゆく。

美しい雪の風景と、美しいが虐められて屈折した少年と、ありえない残虐な行為で命を喰いつなぐ獣のような少女と、滴るエグい血の色と。

二度とみたいとは思わないが、こういうのが、映画だよね、とも言える絶対的な世界観の提示があった。

おとぎ話に出てくるような、残酷で美しい、無力感溢れる作品だった。

トラウマになる。『愛を複製する女』と似た色調だと感じる。

さすが北欧の世界観、寒い国独特の、多くを語らない淡々としたストーリー。
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