このレビューはネタバレを含みます
男は世間を荒立てないよう密かに人の血を採取し、少女に捧げ生き繋がせて来た。...が、寒冷地、遺体隠し等、理想ともいえる地で失敗する。渇きに耐えかね少女自らが人を狩って血を摂取してしまう。
何故、男は少女の為に。時には嫉妬し、最期には自分の血を差し出す。
パートナーともいえる男は居なくなるが
さほど少女は哀しまず、アパート内、隣の部屋のいじめられっ子との交流を続ける...。
これは邦題のサブタイにあるように200歳の少女であるのならば、少年は恋すれど、少年に恋などしないだろう。
"彼女"もしくは"彼"の魅力に取り憑かれ従事してゆく男たち、それらを受け入れさせるヴァンパイアのはなし。
生きる為の血の採取。
"後釜"継承の物語。
だが、少年に対し魔性的に誘なうのではなく、真摯に向き合う事もエリの魅力の一つであり、少年もやがては老い最期には、同じく血を捧げるだろう。ヴァンパイア役の子役がそういった説得力を齎す。切なく素晴らしい映画である事には間違いない。