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キングコング:髑髏島の巨神のナーオーのレビュー・感想・評価

4.0
ベトナム戦争映画、ミリタリー好きの人にかなりオススメ。舞台もベトナム戦争好きには心が躍る"1973年"。丁度ベトナムからアメリカ軍が撤退する時期が舞台です。

映画内のあるシーン。ベトナム戦争時代のアメリカ軍のUH-1の編隊が、オレンジ色に染まった空に向かっていく場面はもちろん、コッポラ監督の「地獄の黙示路」を連想します。

本作は「キングコング」+「地獄の黙示録」
このアイディアが素晴らしい!!
ベトナム戦争と怪獣映画という、今まで見たことがなかったジャンルのミックス。
これまで何度も何度も映画化されてきた「キング・コング」。正直、やり尽くした感のあるシリーズでしたが、このアイディアによって凄くフレッシュな映画になって見応えがありました。

「地獄の黙示録」をオマージュしたシーンも多く、サミュエル・L・ジャクソン演じるパッカード大佐も前半は黙示録のキルゴア中佐の様で、後半から"カーツ大佐"の様な人物になるなど、「地獄の黙示録」が好きな人にオススメ。

他の登場人物も個性的で主演のトム・ヒドルストン、ブリー・ラーソンはもちろんのこと、軍人メンバーの1人であるシェー・ウィガムが特に印象的。他の兵士はM16やM60を装備するなか、一人だけベトコンの戦利品であるAKを装備するコール大尉。このシェー・ウィガムが超カッコいい!!

音楽も70年代ロック中心選曲。
CCRやチェンバース、ストゥージスなど音楽の選曲もベタではあるけど良い!!

人間ドラマパートもギャレス・エドワーズの「GODZILLA」よりもっとしっかりと作られていたところも良かったです。

ただ少し残念なのは、2005年版のピーター・ジャクソン監督版の「キングコング」のようなダークな雰囲気がかなり控えめだったことです。あくまで僕の好みの問題ですが、もっとダークな作風にして欲しいかったです。食人族のオマージュも少し出てきたりするので、原住民がジャクソン版の様に野蛮な食人族にして欲しかったです。
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