鈴

溺れるナイフの鈴のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
4.3
はぁ〜、まだこういうの好きなんだよ〜。

構図と、絶妙な間、あと一歩間違ったら弾けて消えそうな、危うい主演2人のビジュアルと熱量。
以上三つが最高であるポイント。
原作漫画は読んだことないけど、どことなく小説的に描いてほしい瑞々しさとストーリー。

具体的に以下メモ。
核心には触れてないけどセリフ引用。

椿の蜜を吸うシーン。
視覚的に美しすぎる。ポストカードにしたい。バイクで通り過ぎるコウちゃんの目付きまででこのシーンが完成。
濃紺の中に一本だけ紅が塗ってある爪に「椿が咲いとるみたいやの」という大友の屈託のなさ。こそばゆい。幸せがこそばゆいんじゃ。
「なんでもしてやりたいんじゃ」という大友のセリフとその後のコウちゃんの「なにもしてやれんのじゃ」が対比される。
ベタだけど二人の男が何かによって対比されるの大好き。

コウちゃんを港で見つけて少しずつ追いかけるシーン。
長回しだからこそ伝わる空気感。最後はコウちゃんが駆け出して、夏芽が先に船に飛び乗る。
常に二人ともなに考えてんの、とハラハラしてしまう。入り込めない空気。
この映画のためにめっちゃ痩せたのでは? と思われるガリガリの菅田将暉くん。白い首。上下する喉仏。手を触れたくなるのもわかる。
主演2人のビジュアルもあいまって、紛れもなくコウちゃんと夏芽は「特別」なんだなとモブ目線で観れる。

最高!
鈴