きぬきぬ

フランス組曲のきぬきぬのレビュー・感想・評価

フランス組曲(2015年製作の映画)
3.6
アウシュビッツで亡くなった女性作家イレ-ヌ・レミノロフスキ-の未完の小説の映画化。抵抗文学であるし、戦時下の占領軍(ドイツ)による抑圧の不穏な空気に便乗する田舎町の人々の欺瞞や密告など醜さ愚かさも描かれていて気鬱になるところ、ヒロインの気丈さが救いだが、その恋は時代が決して許さないもので、ドイツ軍の敗退後、ドイツ人と関係を持った女性たちはそれが真の愛であれ生きる為であれ悲惨な目に遭うのだが、原作が未完の為そこまでは描かれていない。それでも愛を求める女性の性や、心を通わせるドイツ軍人を描いたことに作家の希望を見る思い。
占領軍として訪れ、ヒロインの住む屋敷へ滞在することになったドイツ軍中尉は礼儀正しく紳士的で、ヴェルコ-ルの「海の沈黙」の将校のような理想主義者を思わせるが、違うのは彼がすでに戦争の悲劇を目撃していて心を痛め、音楽に癒しを求めているところだろう。マティアス・ス-ナ-ルツとても素敵。サム・ライリ-も良いけど、ランベ-ル・ウィルソンが出ていたのが最高に嬉しかった♪