第二次世界対戦下のフランス田舎町を舞台に夫が出兵中のフランス人女性とドイツ将校軍とのラブロマンス。
フランスにおける階級闘争,貧富の差,尊厳と略奪などかなり重い内容でした。原作は1942年にこの世を去った女性作家イレヌ・ネミロフスキーによる未完の小説を映像化へ結び付けた作品。
身分や文化情勢の違いから二人の関係性は成立する筈もなく極限状態下における感情の揺れ動きは息を呑む。緊張感がこちら側にまで反響し漂う。
戦時中の悲惨さがピアノの旋律とともに押し寄せてくるロマンスというよりはシリアスな掛け合いを"禁断な恋"に乗せ噛み締める作品に感じた。
エンドロールでもアウシュビッツで生涯を終えた原作者の直筆原稿が映像で流れ考えさせられます。
ロマンティックな恋愛劇で美化させず命を奪うショッキングな描写も織り込み冷酷な箇所をきっちり描いていたのが中弛みせずよかった。観た後は少し放心状態になりました。
