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フランス組曲のnonのネタバレレビュー・内容・結末

フランス組曲(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

【2017年レビュー】
戦時下、アウシュビッツの収容所で39歳という若さで命を落としたイレーヌ・ネミロフスキーの未完の小説が原作。母である作者からその娘たちへ託されたトランクに収められていたという。発見したのは作者の死後60年、映画化まで70年という。そして、未完であるがため、作品の中で原作にないユダヤ人の親子が登場しているのだという。ここまで知ると、作者の意思が時代を超えて受け継がれ映画化されているのだということにとても感動した。リシェルとブルーノがピアノの調べで惹かれ合い、お互いの気持ちに素直になって、でも許されないことだと理解するまでの過程がとても切なかった。そして、ドイツ軍の占領下にあるフランスの田舎町で、戦争という狂気の中で、それに屈した人間と抗う人間、その狭間で揺れ動く人々のそれぞれの想いと姿を、言葉にできない愛と憎しみを丁寧に描いていたように思う。義母のアンジェリエ婦人、ずっと嫌だなぁこの人って思っていたけれど、ラストでちょっと好きになった。
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