木曳野皐

葛城事件の木曳野皐のレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
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希望なんて抱かない方がいい。
理想が明確な程、ズレも明確になってしまう。
悲しい、虚しい、「こんなはずじゃなかった」が積み重なって行く。
人生こんなもんだな、って思った。
誰が悪いとかじゃなくて、本当に少しずつ少しずつ歯車は狂っていって気づいた時には歯車は削れて噛み合わなくなっているんだろうな…
なんかとっても他人事だけど、きっと他人事じゃない。
三浦友和の演技が凄いからなのかな。

最後の晩餐は本当に最後の晩餐だったのだろうか…
折れた枝が戻る事が無いように、人の心も折れてしまったら戻れないのかな。
あの人生の続きが観たいな、と、静かなエンドロールの間に考えてしまった。
木曳野皐

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