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葛城事件のbのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
4.0
タイトルが葛城事件よりも、ありふれた事件の方が相応しいのではないかとさえ思えてくる。一つ一つはありふれた些細な問題でも、いくつも重なることでこの大惨事。『家族』という幻想をことごとく崩壊させようとしてくる。基本げんなりするシーンが続くが思わず笑ってしまうシーンも。この家族は誰一人現実に向き合ってない。全員見て見ぬふりしている。『家族』という幻想が、いかに信用ならないものなのか改めて考えさせられた。
家族なんてものは、偶々同じ家に住むことになっただけの共同体でしかないのに、あくまでも他人同士だということを忘れ、傍若無人な振る舞いをし、家族という言葉を盾に人権侵害することは許されがたい行為だと思います。

登場人物達の厭な実在感が凄まじい。特に次男に関しては、境遇など自分と重ねてしまい、正直に全く他人事に思えない。
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