これもまた好きではないけど映画としてはすごく良作。とても丁寧に描かれてる。
ちょうど死刑制度についての哲学的問いといった内容の本を読んでいたときに観て、その本のなかでもこの映画のモデルとなった宅間守元死刑囚が例として挙げられていた。
死刑制度に関してどうこう難しいことは言えないがただひとつ確かに共感したのは宅間が早期執行を申し立てたときそれが受理されてしまったことに対して、それでは宅間の思い通りだ、それで良いのかということ。
父親と稔の喋り方はすごくよく似ていて、二人とも絶妙に人を不快にさせる話し方をする。じつに悲しい話だ。獄中結婚の相手の女性の話す言葉は的外れだし、綺麗事ばかり。なにかが突然ドッカーンと変わるわけでもなく今までどおりの鬱屈とした日々がそのさきも続くことが リアルだった。似た系統の映画で少年は残酷な弓を射るという映画があるけれどそっちはどこか救いを感じた けれどこれはもう…絶望 なんの救いもない
この父親、血と骨のたけしと良い勝負だわ。
良い両親のもとに生まれてきてよかった…
お父さん、お母さん、ありがとう