theocats

ドローン 無人爆撃機のtheocatsのレビュー・感想・評価

ドローン 無人爆撃機(2013年製作の映画)
3.0
ネタバレ
無人暗殺機女操縦士の葛藤・洗脳・命令実行

80分の小品。ほぼフライングシミュレーターコンテナ内一場一幕劇。
中東アルカイダ幹部を衛星テレビカメラ監視・無人機暗殺する操縦士二人と上層部のやり取り。

面白いと思ったのが最初は標的以外の家族を巻き込むことに「良心」から反対していた女性中尉が父親でもある大将の虚偽と思われる説得「ターゲットを殺さなければアメリカでテロを起こし多数の死者が出る。9.11実行犯もターゲットが命じた者でありそのせいでお前の母と弟が死んだ」を真に受けてがらりと心情が変わり、ターゲット暗殺の先鋒に立つ場面。
逆に暗殺命令服従の態度だった男性一等兵が大将のウソを見抜き、女性中尉と意見が真っ向対立するに至る・・・

結構なスリル緊迫劇と感じたので興味あれば見るのが一番でしょう。



この「無人機暗殺PTSD問題」はネットニュースでも一頃盛んに取り上げられていたので既知の話ではあるが、本作はその件の原因事象を重点的に描写しているようでいて、うがった見方をすれば良きにつけ悪しきにつけ女性兵に特有の感情反応と洗脳容易性を知らしめようと意図した可能性も考えられます。まぁ真実は分かりませんけどね。

いずれにしろ〝遠隔操縦無人暗殺機”は個人的には「先進兵器をどうしても使いたくてしょうがない〝殺人サイコパス(兵器会社関係者や軍の上層部)”用の〝大人のおもちゃ”」としか思えない。
無人暗殺機のフォルムを見るとオカルト映画なんかよりよほどゾゾゾッと背筋が気持ち悪い感覚に襲われる。
「自国民の命が危険に襲われる〝予兆”があるなら、その首謀者と〝思わしき者”は周囲の未関係者が犠牲になっても構わず殺害する」意図を体現する悪魔的兵器。

002007
theocats

theocats