スチールラグ

お父さんと伊藤さんのスチールラグのレビュー・感想・評価

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)
3.5
「はあ!?」
怪訝そうな表情をする上野樹里が秀逸。
「困った人たちだなあ」
微かに笑みを浮かべるリリー・フランキーがとても作家とは思えない。

コメディータッチだけど意外とテーマは重い。
親と子の確執。
介護問題。
老人の孤独。
夫婦関係。
しかも、どれも普遍的。
僕も経験したし、その渦中にもある。

みんなの間を"伊藤さん"がふわふわと浮かび、
いつの間にか歯車を回していく。
でも、彼が何かを指し示すわけではない。
ただ、彩の背中をそっと押してくれる。

「僕は逃げないから」
その言葉に励まされ、走り出す彩。
それが正しいかどうかは分からない。
でも、アパートの前で彩の後ろ姿をずっと見守っている
"伊藤さん"がいる気がする。

自分の側にずっといてくれる何か、
それさえ信じることができれば一歩踏み出せる。
そう思わせる希望の物語。


今日は金曜日。
僕のような一般人でもストレス溜まっているのだから、 
医療や介護の現場の方々の疲労の蓄積は察するに余りあります。
どうか、ご無理されないように。お気をつけて。
今週も、大変な中、頑張って頂いている全ての方々に、
感謝と尊敬の気持ちを込めて拍手を送ります👏👏👏
映画館に行ける日が戻って来ますように🙏
スチールラグ

スチールラグ