無音に長回しで追求するリアル…
78歳の巨匠ミャヒャエル・ハネケの新作は日本で起きたある恐ろしい事件をモチーフにしたとされる。
海沿いに住む一見幸せそうなブルジョワ一家の面々は同じ屋根の下に住みながらお互いの痛みに無関心、名前も顔も知らないネット上の遠い存在にしか心を開けない。
なにもこの家族に限った話ではなく、SNSの普及により世界中にこういった悲しい波が押し寄せているとハネケは警鐘を鳴らします。
そしてなんと、前作「愛、アムール」に登場したジョルジュが今作にも登場。
心の繋がりを持たない家族の中で一人、あまりにも重い罪を抱えた彼にとって、この物語はたしかにハッピーエンドと呼べるかもしれない。