Panierz

ハッピーエンドのPanierzのレビュー・感想・評価

ハッピーエンド(2017年製作の映画)
4.5
解放へ向かう死という意味では『セブンス・コンチネント』の嫡出子で月日と共にハネケが少しは丸くなったという幻想はぶち壊された。

データベースに依拠する表面のみの世界において、ハネケが表現してきたコミュニケーションの不可能性はより顕著となり滑稽味は溢れる。断片で作られる真実をよりミニマルに切り取ったSNSという存在が初期ハネケと呼応するのは面白くまた恐ろしい。
皮肉の表現としてはハネケ作品の中でも鮮烈だし、一見無意味なようなリズムを刻むだけのショットや際立つ虚無な環境音、途方もなく不味そうな食事シーンなどには癒される。ハネケ好きとしては。
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