いわゆる南北戦争ものの一本で特に新味はないけれど、ジョン・ウェインとウィリアム・ホールデンの二大スターのやりとりや迫力ある戦闘シーンをダイナミックに撮っていくジョン・フォード監督の卓越した職人技が堪能できたので見終わったあと満足感の残る佳作に仕上がっている。そして勇壮な馬の演出はさすがフォード。
『裸のキッス』で映画ファンにインパクトを与えたコンスタンス・タワーズの食えないしたたかなヒロイン像(+彼女に仕えるメイドさん)がいい味を出していた、当初は反発していた彼女が次第に主役二人と仲良くなる展開もベタだけれど関係性の変化を見せるのが上手いので監督の手中に引っ掛かり共感しながら見てしまう。
普通の監督みたいにベテラン上官ウェインと新任のホールデンが仲良くなる過程をクドクドと描かず、ある動作であっさりと表現する演出に唸らされる。そしてそんな演出が全く古びないところがフォードの凄さなのかも。
一瞬だけれど『グローリー』みたいな無茶な前進を少年兵士がやっていて驚かされる、さすがに彼らを撃つなんて残酷な行為はやらなかったけれど。