このレビューはネタバレを含みます
【ストーリー】
アイスランドで羊飼いとして暮らす40年間も口を利いていない不仲の老兄弟が、羊の疫病をきっかけに結託する姿をヒューマニズムとブラックユーモアを交えて描くドラマ。
第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門賞を受賞。
兄・キディーと弟・グミーは40年間もの長い歳月口を利いていない。
しかしながら家は隣同士。
何か連絡事項があればグミーの飼い犬を通してのやりとりをする。
ある日、グミーはキディーの羊が病気にかかっているのではないかと疑いを持つ。その結果、言いがかりだとキディーは激怒してしまう。しかし、グミーの予想は当たり、羊の伝染病にかかっていることが判明し村の羊をすべて殺処分しなくてはいけないこととなった。
羊を飼っている村人全員がその殺処分を受け入れられたわけではなく、中には他の地へ移ってしまう者もいた。
羊たちはこの村の一部であったため、羊のいない牧草地はガランと静まりかえっていた。
グミーは自分の羊たちを1匹1匹大事に育てていたため、誰かに殺されるのであればと自分で殺す、と100匹以上いた羊たちを殺してしまう。
すべて殺してしまったか…と思われていたのだが、何と雌雄数匹ずつを地下に匿っていたのだ。
勿論このことは絶対に知られてはいけない。
しかしながら、ある日を境に兄・キディーに知られてしまう。
羊たちが生きている、その秘密の真実を共有する兄弟であったが、ある時「トイレを貸してくれ」とやってきた監視員に羊たちの存在を知られてしまう。
その監視員は何事も気付きませんでした、という顔を作りながら家を出たがグミーには分かっていた。
焦るグミー。そんな中で頼れる相手は一人しかいない。
そう、兄・キディー。
兄弟は一旦、羊たちをキディー宅へ追いやる。
追いやった後に監視員が数人来たが時すでに遅し。
その後、兄弟は羊たちを山へ追いやるためにバギーに二人乗りをして、羊たちを誘導する。
しかし、夜の雪山。猛吹雪の中でバギーが故障、羊たちはどこかへ消え、兄弟も離れ離れに。
朝になり、吹雪が止みキディーが辺りを見渡すと、倒れたグミーが目に入った。
キディーは急いで、スコップで雪穴を堀り、グミーと共に入る。(雪の中は暖かいと以前どこかで聞いたことがある。)
何とかグミーの身体を温めようとグ服を脱いで、脱がせて全裸でグミーを必死に抱きしめるキディー。
・・・
ここで、物語は終わりだ。
結末の解釈は人によってバラバラである。