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パリのナジャのsのレビュー・感想・評価

パリのナジャ(1964年製作の映画)
4.0
セルビア出身のアメリカ人留学生ナジャの視点で語られるパリの街。冷静沈着でありながらも街中で出会う人たちとの交流も割と活発で、カフェですすめられた美術館の展示を訪れる素直さと行動力もあったりと畏れ入ってしまう(自分のフランス留学時代とは真逆すぎて泣きたくなる)。そしてモノローグ形式ではあるがその後の作品『レネットとミラベル/四つの冒険』の中のパリパートを思い出すなど(路上カフェのシーンとか)。
「私の芸術的関心はピカソの"青の時代"で止まっていて、出会った人々からモダンアートのよさを教えてもらったけれど私は自分に本当にしっくりくるものを探したいからすぐに影響されたりはしないの」みたいな語りのところがよかったな。夜に陸橋の上から道路を見下ろしながら語るラストに繋がっていく語り。これからパリがナジャにとってそういう場所になっていくのか、モラトリアムならではの瑞々しさが余韻としてやさしく残る。

《メモ》カフェのシーンでテラス席の入口付近にジャンピエール・レオがいるのを発見。ナジャのことを見つめているので何か展開があるかと思いきや何もなく場面転換。
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