MasaichiYaguchi

ちえりとチェリーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ちえりとチェリー(2015年製作の映画)
3.5
「劇場版 チェブラーシカ」の中村誠監督が「命の大切さ」と「想像力の可能性」をテーマに一人の少女の不思議な冒険と成長を描いたパペットアニメーションは、その世界観に懐かしさと共に失われたものへの切なさを覚える。
幼い頃に父を亡くし、母と2人きりで暮らす小学6年生の女の子ちえりは、仕事で忙しい母に相手にされず寂しい毎日を送っている。
父の葬儀の時に蔵で偶数見付けたぬいぐるみのチェリーだけが唯一の親友であり、チェリーはちえりの空想の中で遊び相手となったり、彼女を守り続けてきた。
そんな或る日、ちえりは父の法事で母と共に久々に東北の祖母の家を訪れる。
ちえりはそこで野良犬が出産する場面に遭遇するが、生まれてくる子犬を狙ってカラスや不思議な怪物が次々と現われ、彼女らを含めて襲ってくる。
それらの攻撃からちえりや子犬を守ろうと助太刀してくれるのはチェリーやネズミや黒猫の面々。
果たして、彼らは無事に子犬を出産させることが出来るのか?
手間暇かかるパペットアニメーションを繊細に、そして丁寧に製作していて、その膨大な労力と時間に思いを馳せたくなる。
本作は、生命の尊さと共に親子の強い絆を描いていて心の琴線に触れます。