トム

ガタカのトムのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.0
●あらすじ
近未来。自然妊娠で産まれた「不適正者」と遺伝子操作により優れた遺伝子を持ち産まれた「適正者」がいる世界。軽い気持ちで生まれた兄のヴィンセントと遺伝子操作により生まれた弟がいた。
ヴィンセントは不適正者でありながら、弟に水泳で勝ち、自信をつける。彼は適正者でしかあり得ない宇宙飛行士を強引な手を使いながらも目指していく。

●感想
現実的SF映画

この前、私は遺伝子検査をした。数百近くの項目があり結果がでる。内容は疾病リスクや体質などだ。ガタカではより精密に遺伝子検査がでてくる。一般人が検査を受けるようになった未来を見通していたのは感心した。

不適正者と適正者の分断は、低学歴と高学歴の分断に近しい。学歴で判断され、可能性すら見てもらえない現代社会と似ている。

日本でもヴィンセントはいた。
元コメンテーターのショーンKがそうだ。
彼は経歴詐称で、顔も整形し、身長を靴で高く見せ、純日本人にも関わらず混血だと嘘をついていた。詐称がバレるとTVからは干され社会から批判を浴びた。
しかし、デープスペクターがいうように彼は英語が素晴らしかったし、コメンテーターとしても一流だった。

経歴詐称がなければ彼は夢を達成できていなかった。私自身、経歴詐称には反対派だが、このような事例を見るとどこか歯痒く感じる。
もちろん有能さを定量的に見るのは分断が良い。ハズレを引く確率を低下させる。
だが全ての可能性を排除してしまう。なんとも歯痒い...。

Filmarksの平均点も似たようなもの。
高評価作品はハズレ回避に使える。
だけど3.0付近に自分に合った良作が眠ってるかもしれない。たまには平均点気にせず感性で選ぶのも良いのかもしれない(大抵しくじるけどw)

作品自体は終始引き込まれた上質な作品だった。ヴィンセントがバレないかという緊迫感もあったし、衝撃的な事件もあり飽きさせない。
ラストは暖かく切なく感動もの。結構ずっしりくる。だがどこか美しさもある終わり方。

ジェローム演じたジュード・ロウの横顔は、「きっとうまくいく」のアミール・カーンに似てる。北野武の映画が大好きで監督依頼の手紙を送ったほどだとか!

ビンセント演じたイーサン・ホークはアイリーン役のユマ・サーマンと結婚するんだけど、イーサンの浮気がばれ離婚...。お似合いだけど残念だ...!



トム

トム