トムヤムくん

ガタカのトムヤムくんのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.8
遺伝子操作で生まれた人間が優遇される世界で、劣勢の遺伝子を持って生まれた主人公ビンセント。彼は別人の遺伝子に成りすまして、絶対に不可能と言われていた宇宙飛行士の夢を追いかける…。

SF映画なのに、良い意味でSF映画らしくなかった。サスペンスやヒューマンドラマ、ラブロマンスの要素も強いので、静かな映画ながら全く飽きない。特に、近未来の中にクラシックな雰囲気があったり、ディストピアっぽい世界観が溢れているので、映像だけでもめちゃくちゃ哀愁漂っていて良かった。

調べてみたら、公開当時はまずまずの評価で、時間が経つにつれてカルト的な人気を得たらしく、そこからもシンプルに「良い話」だけで勝負していることが伺える(そもそも監督が『トゥルーマン・ショー』の脚本家なので納得)。

叶わないと言われていた夢を叶えることは素晴らしいことであると同時に、悲しいことだったりもする。そんなことを突きつけられるラストシーンに、苦しいくらい胸が締め付けられた…。