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ガタカのOzDarkArtのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.6
前半ずっと観てて苦しかった。

遺伝子情報で管理され、
就職等ほぼ将来が決められてしまう未来。
遺伝子的に劣っている『不適正者』のヴィンセントが宇宙飛行士になる夢の為、
管理システムの裏をかいて奮闘する。
ヴィンセントが努力して能力以上の結果を出してたのは事実。

小さい時からそーだったけど勝ち負けとか順位とか優劣決めんの嫌いなんだよな…。
負けず嫌いってのもあるかもだけど、
得意・不得意なんてあるのが当たり前だし、
走ることでも同じ速さでもフォームが綺麗とか力強い走り方とか、
絵を描くことでも同じ位リアルに描けても雰囲気だったり味があるとか違いが生まれるでしょ。
数値化嫌い。

安全への信頼性とか、
任せられる水準を越えてなければならないから、
基準として数値化は必要だ、とも思うけど。

ジュラシック・パークの
“生命は道を見つける”
って台詞思い出した。
恐竜の個体数を管理する為にメスしか産まれない様に調整して復元したが、
遺伝子復元の際に破損したDNAの穴埋めに両生類の遺伝子を当てはめて復元した恐竜は、
メスしか居ない環境に両生類の特性である性転換をしてオスの個体が現れ存続の道を見つけた(フィクションだけど)。

現実にも死滅回遊という魚の行動があって、
自身の生存に適さない気候の地域にも海流に乗って分散する個体が一定数居て、
環境が合わない為辿り着いた個体達は皆長くは持たず死滅する。
けど、
万が一今繁栄している環境が激変し、
仲間が全滅した時に可能性を残す保険として実らない種を撒き続ける。
鮭なんかも海に出ずに川に残る個体が一定数居て、
海の豊富な餌を摂れない為成魚になっても鮎みたいな川魚程度の大きさにしかなれず卵も精子も少ないけど、
海に行った兄弟姉妹が全滅した時の保険として残る。

キリンの首とか、
極端に身体の部位が長い・大きい様な種でそのサイズが中間の、
途上である化石なんかが見つからない種は突然変異や奇形の個体が、
低い位置の草が激減したか競合する他の種族に独占されて、
背の高い木々の葉を食べることが出来たその特殊な個体が生き延びた結果、
正常な個体が淘汰されて突然変異が正常になったって説が有力だとか。

劣性遺伝が劣っているのは“今現在の環境”であって、
個性がどんな状況で光るかなんてわからない。

他者を物と捉えるサイコパスの方が外科医師や経営者なら迷わず的確な判断が出来たり、
優れているか劣っているかは見方次第。

ハンディキャップも強みになる場合があって、
クジャクやシカのオスなんかも外敵から逃げるのに邪魔でしかない飾りや角が大きい方がメスにモテるけど(木の枝や茂みで引っ掛かっちゃったら詰む💦)、
他の個体より大きい分ハンデがあるのに成体まで生き延びたこと自体が優秀であるアピールになるからとか言われてる。

優劣を判断するのが人間の時点で優勢遺伝子だけ残してたら人類は絶滅するよ。
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