のらり

ガタカののらりのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.5
デザイナーズベイビーといった遺伝子操作や優生思想
自分はそれを倫理観を理由に否定しようとは思わない。
人生における難を取り除くことは、生存本能的に当たり前とすら思う。
しかし、それは優れた人のみが素晴らしいと捉えているのではない。
人の可能性の面において
他者や自分の優劣や限界を決めることほどダサいことは無い。

自分は自分の理想を求めればいい。しかしそれを人に強要するような
この映画における遺伝子差別社会は御免蒙る。

この映画の主人公がそうした差別や障壁を努力で乗り越えて行く姿が印象的だった。
そしてそれを支えるユージーン。抱えているもののある、いいやつ。

ユージーンと出会い、漸く夢に向かって歩み出せた主人公はキラキラと写ったが、では一方で親の考えによって、遺伝子差別社会で難なく生きるために作られたユージーンのような優勢特質の子供に掛かる負荷はどうなるのだろうか。
子は親の所有物だろうか。
そうして生まれた子はやはりユージーンのようになるのだろうか。

生きていくって難しい。
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