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ジャック・リーチャー NEVER GO BACKのyohjihondaのレビュー・感想・評価

3.2
「軍隊もの」というジャンルは、日本にはあまりないジャンルではないだろうか。

戦争ものならある。

某国のイージスとか。ローレライとか。戦艦大和とか。

なぜか船、潜水艦ものしか出てこないけど。

陸軍でいうと、硫黄島の手紙、、、あ、全然出てこないけど。

とにかく戦時中のものは多少なりとも、有名なものもあるし、大きく取り上げられたものもたくさんあるだろうと。

しかし日本の軍隊が自衛隊になってから、いわゆる戦時を除いた自衛隊をメインテーマとした映画や作品はなかなかない。

気がする。

それが日本的にタブーなのか、はたまた情報がそもそも外に出にくいもので、内部事情を知っている人がいないのか。

よくわからないけど、ハリウッド映画では軍隊や警察の不祥事も、割と好んでテーマとされている気がする。

特に最近は、そこまで重いテーマでもなく、まあ悪徳警官っているよね〜って感じの描き方。というか、日本にそういう発想が入ってきたのが最近なのかもしれない。

メキシコとか、南米の国とかは、ポリスメンには賄賂を送るのが当然である。賄賂送らなきゃ逮捕される。

日本では警察官は正義の人だと思われている。正義を体現する人だと。

しかし海外では警察官とは、あくまで職業の1つであり、あくまでただの人である。

だから汚職警官がいても驚かないし、金をちょろまかす警官が映画とかにもバンバン出てくる。

日本ではそうもいかない。本職の警官がバチバチに犯罪を犯す、特に金銭面にかけてバチバチにがめつく取りに行くっていうシーンはあまりない気がする。

それこそ警官の警官殺しとか、警官が国家に刃向かう、とか。そういう大きなくくりでの反逆はドラマとして描かれるが、日常の些細な、またはより生活に近い部分での金銭横領などは、やはりまだタブー化しているような気がしないでもない。

そもそも警察官に普段触れ合うことがない人は、そりゃ反感も持たないだろうし、検察にはめられたことがない人も、検察官が悪い人だとは思わないだろう。

日本は犯罪を犯したり、タブーに触れた人には蓋をする文化だ。

でも、そこからしか、そういう内容を含めてしか描けないドラマやストーリーがあるはずである。

特に今回の「ジャック・リーチャー」のように、軍隊内部での不祥事みたいなものは、内部事情にある程度精通していないと書けない。

軍隊は特に全てが国家レベルのものであり、動く金も人も多い。そこには利権がはびこり、あらゆる職業の人が、権力を求めて徘徊している。

そんな状況に、意図せず巻き込まれるジャックリーチャー。相変わらずのトムクルーズの巻き込まれ具合。まさに嵐を呼ぶ男。

この男が歩くと何かしらミッションインポッシブルのである。ポッシブリがち。

誰よりも強く、誰よりも不器用で、誰よりも一途。

トムクルーズにしかできない、トムクルーズ感。

全編にトムクルーズ感が漂う映画。

強くて不器用な主人公。賢く、強く、美しいヒロイン。主人公の感情をかき混ぜる子ども。反抗的な態度を見せつつも、最後は忠誠心を示す部下。頼りになる内通者。一匹オオカミの殺し屋。その殺し屋に殺される下っ端の悪役。最後の最後に飛行場でドンデン返しで逮捕される大物悪役、、、

もうね、典型。これでもかってぐらい典型。

典型的なアクション映画。お手本通り。2、3本他のアクション観たらかけそうな脚本。

でもね、オッケーなんです。全てオッケーなんです。

それがトムクルーズならね。
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