田畑ヒロアキ

キングスマン:ゴールデン・サークルの田畑ヒロアキのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

秒でアガって右肩下がりになってく面白さ。

全てにおいて前作未満。
まず、ジュリアン・ムーア演じるポピーが醸し出すヌルい狂気。ダイナーの店長兼組織のボスと言った役所だが、淡々と事務作業をこなし時折人肉バーガーを提供するだけでそれ以外はビジュアル的にも突出して変わった点は何も無いので魅力ゼロ(ジュリアン・ムーア自身は最高の女優だよ)。前作のサミュエル・L・ジャクソンに個性の面で大敗してる。
冒頭のキングスマンへの壊滅的な打撃でゴールデン・サークルの強さを見せつけたつもりだろうが、そもそもゴールデン・サークルの強みってミサイルなのか?ロボットとかクスリじゃなくて?ならば、刺客は義手男じゃなくて爆弾男とかジャンキー男とかシュワちゃんにしろよ!しかも前作が義足だったから今回は義手にするって発想自体短絡的。次作では顔以外ロボット人間が出てきそう。ロボコップだそれ。

次にチャニング・テイタム。次作で暴れさせたいがために完全に出し惜しみしたよね。麻薬とテイタムが如何に最高の組み合わせか、21ジャンプストリート観た人なら分かるはず。いや、と言うより、麻薬とキングスマンはクレイジーさを発揮するのに打ってつけの魔法の材料だろ!これだけでいくらでも前作以上に面白く出来たよ!なのにここで全力尽くさないのは、もはや愚かとしか言いようがない。ほんとにガッカリ。

他にもロボ犬、エルトン・ジョン、ハリーとエグジーの共闘など、良い材料は揃ってるのにどれも前作越えならず、半端な仕上がり。ラストのバトルの決着が人間ミンチって、そのシーン序盤で見たばかりなんですが…
もっと言いたいことがたくさんあるけど、書くのが疲れたのでこの辺にする。

悪い点ばかり書いちゃったけど、前作より劣ってるだけで総評すると面白いのは間違いない。

P.S.多くの人が本作には「麻薬絶対ダメ!」と言うメッセージが含まれてると評してるけど、俺の見解は少し違っていて「麻薬中毒者が社会復帰するためにもっと治療施設を増やそう!」と訴えてるように感じた。
麻薬と中毒者の根絶なんて不可能な話だし、中毒者を撲滅したところで犯罪が無くなるわけでもない。中毒者=悪じゃない。
あの解毒剤は治療施設を象徴してるようにも見えた。
麻薬依存に苦しむ彼らを見捨てず、助けを求めやすい環境にしていく事が重要なのだろう。