ふじこ

The Kidsのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

The Kids(2015年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

気になっていた先輩との間に子供が出来、若くして父親になったバオリーは母親になったジアジアと子供をバオリーの家で育てている。
バオリーは学校を辞めて食堂で働き、ジアジアも子供を義母に預けてカフェで働いている。
しかしジアジアはカフェのオーナーと不倫をし、義母はギャンブル狂いで賭博場に子供を連れて行ったりする。


そんな話。
ジアジア役の女優の透明感が凄かったなぁ~。繊細そうで薄幸そうでとても良かった。
バオリーは広い家に引っ越す為に一生懸命働くのだけれど、自分の母親が切っ掛けで何もかもイヤになったジアジアは不倫相手が用意した家に逃げ込み、引越し費用に貯めていたお金は母親に全て使い切られた上に借金まで背負ったジアジアは危ない仕事に手を出すも警察から逃れるために金を減らしただけで終わる。
友人にはあんな女やめろと言われるも、それに怒ったバオリーは仲違い。
最後はお金持ちの奥さんの跡を付けて強盗をしようとするも直ぐに捕まり、子供を養子に出そうと思い詰めていたが気持ちを改めて戻ってきたジアジアと連行される場面で再開。
聴取が終わり、奥さんはもう帰っても良いですよ と言われバオリーも帰るように言うものの、子供を抱いて泣きながら隣りに座って寄り添って終わり。

雨の後の少しの晴れ間みたいな雰囲気の映画だなぁと思っていたら、ジアジアの浮気や義母が借金を背負った辺りから一気に曇り空に…。
なんだかずっとモヤモヤした感じだったなあ。ジアジアが何を求めているのかが分からなくって。
身の上としては父親が再婚して継母と上手く行かず、父も継母を庇うために家に居づらくなって人の男だろうと関係なしに転々としてた感じだったんだけれど、思い掛けず子供が出来てしまったんだろうけれどバオリーとの幸せな時間もあったはずなのに、思い描いた平穏とは違ったからなんだろうか。それとも元々一所に居られないタイプの人間だったのかな?彼女の気持ちがイマイチよく分からなかった。
そりゃあお金は使い込むわ借金背負う義母なんかとはさっさと縁を切って欲しいのは間違いないんだけど…。
そこは前科がありそうなのにお金の管理を任せておくバオリーの落ち度だと思う。

そしてバオリーは本当にジアジアも子供も愛しているし真面目に働く若者だったのだけれども、若さゆえに危ない仕事に手を出すし、終いには強盗をしてしまおう なんて普通じゃ出ない選択を選んでしまう。
それもこれもまぁ母親のせいなんだけど…。バオリーがすべきだったのは借金ごと母親を捨てて、あの家じゃなくてもいいから家族だけで安心できる場所の確保だったんじゃないかなあ。
継母と上手く行かなかったのに、義母とは上手くいくはずもないし、そもそも明確に義母はカスだし。居ない方が良いに決まっている。
何も言わずに浮気するジアジアも勿論間違いなく悪いんだけど。

仕事先の料理屋の店主とか、広い家を世話してくれるって言ってた近所のオジサンとか、出前先で若い父親だと言ってよくしてくれる人とか、いい人はいっぱいいるのに、一番身近なはずの母親がカスで嫁ともコミュニケーションが取れていなかったのは不幸だなぁと思う。
結果的に養子や家出を思い直してジアジアは戻ってきたけれど、働き手のバオリーも失ってこれからどうするんだろう…。刑期どのくらいって言ってたっけ…3~5年?住む場所もないし、働く場所もないし、子供抱えてどうするんだろ…。バオリーの家に戻るのか…?場合によってはバオリーが新居の手付に払ったお金くらいは戻ってくるのかも知れないけど。
先行き悪いなぁ~って。

全体の雰囲気は嫌いじゃなかった。
ジアジアは[ 硫黄島からの手紙 ]に出てたアイドルの人に似ている気がする。
ふじこ

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