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ハードコアのKANIOのレビュー・感想・評価

ハードコア(2015年製作の映画)
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全編一人称視点で描かれる「大量に押し寄せる悪い奴等をひたすらぶっ殺す映像」。

主人公は多彩な武器や格闘を駆使して迫りくる敵を倒し続けるので全編見所足り得るし、「何食えばこんな殺し方思い付くんだ」ってくらいバリエーション豊かなキルテクニックが盛り沢山なのだが、やはり気になったのが明確に主人公という存在を設定した上で無言のまま映像を展開させる事の難しさ。

映像の楽しさだけに重きを置いて「ストーリーなんて有って無いようなものだ!」と言われれば、確かにそれも"当時のFPSゲームっぽい"といえばぽいのだが、カメラマン(アクター)の”見る”という動作がそのまま映像に落とし込まれてしまっているので、”観せる”という事に対する配慮がどうしても薄い。
せっかくのゴキゲンな戦闘シークエンスも、ブレブレのカメラワークであまりにも見辛かったので、途中挟まれた緩急付けるためのスロー演出はもっと盛り込んでもよかったと思う。
確かに映像は楽しかったし、今こそVRコンテンツでやっていればとびきり面白い映像になるであろう割と挑戦的な作品には違い無いが、映像の作り込み的な意味ではゲームっぽくは無いし、かといって映画っぽくもない不思議な作品。

僕は久しぶりにゴキゲンなシャールト・コプリーおじさんが観られたので満足だよ…。
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