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ハードコアのべのレビュー・感想・評価

ハードコア(2015年製作の映画)
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一人称視点に徹底したカメラワークで、物語の内容を考慮するとある種FPS的な視点だと言える作品。普段からゲームをするような人は大丈夫だと思うが、こうしたカメラワークに慣れていない人は画面酔いするのでは(笑)
近未来のディストピア的な世界観に人造人間である主人公が立ち向かう物語なのだが、前述の通り終始FPS的な視点で進行している。これは言い換えるとPOVショットの徹底である。POV及び一人称という視点は映画のみならず文学などの領域においても「主人公の知り得る情報のみを描写できる」事が特徴である。実際に主人公であるヘンリーがこの物語において“無知の存在”として設定されているという点は一人称の語りの特徴を上手く反映させている。単なるFPS的な視点で繰り広げられるアクション映画という域に留まらず、一人称視点の持つ特性を最大限に活用できているのではないだろうか。
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