ツクヨミ

正しい日 間違えた日のツクヨミのレビュー・感想・評価

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)
2.2
人生は"選択"の連続で出来ていく。
映画監督のチュンスは上映会で田舎街に訪れ素敵な女性ヒジョンと出会う。2人は話すうちに打ち解けていくが…
ホン・サンス監督作品。今作は人間と人間が出会う何気ない1日を描いた日常劇でのんびりと鑑賞できた。しかし今作の魅力は映画としての構成にあり前半と後半で分かれ同じ1日を2パターン見せていくのが新しい。基本的にはまったく同じことを繰り返しているだけに見えるが、後半はおしゃべりの内容が少し変わりちょっと違う展開になっていくのが面白い。人生は話すことを少し変えるだけでも違った運命を歩むことになる、選択次第で運命は変わるという監督のメッセージ性が見てとれた。
また今作はホン・サンス監督といえばのズームインアウトを多用したカメラワークは相変わらず面白かった。今回はなんのためにズームしたのかはわかりにくかったが、前半先輩のカフェでヒジョンが醒める場面でのズームはなかなか見事だった。また映画の始まりと終わりのクレジットは昔の邦画を思わせる見せ方で少しほっこり、日常劇だから小津安二郎監督でも意識したのだろうか。
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