滝和也

仮面ライダー4号の滝和也のレビュー・感想・評価

仮面ライダー4号(2015年製作の映画)
3.5
スタンディングバイ
「変身!」
コンプリート!

555ファンに向けた
レクイエム…。

仮面ライダー3号の
真の完結編である
と共に…。

「仮面ライダー4号」

劇場版仮面ライダー3号で謎を残した、マッハの顛末を配信という形で(怒)完結させた作品であり、そのライダー愛に思わず驚かされたファン向け作品。

ドライブ泊進ノ介は特状課で霧子の電話で目覚める。剛と霧子と映画を見る約束だったらしい。慌ててドライブピットに行くとゼロノス侑斗、555巧がショッカーが街で暴れていると告げにくる。二人が誰かもわからない進ノ介だったが、街へ急行し、チーターカタツムリ率いるショッカーと対決。偶然参戦した剛が、マッハからの変身を解いた瞬間、敵に自爆され、命を失った瞬間、時が戻り、進ノ介は特状課で再び目覚める…。

時のループにはまり、毎回誰かがやられる度、時が戻り、ショッカーはその度強くなる。果たして誰が、時空改変マシンを復活させたのか、そして死のループを断ち切れるのは誰なのか。と言う最早小さなお友達を置いてきぼりにしてしまう中々凝った造り。そしてその結末が完全にライダーファンの大人むけでまた素晴らしくて。これは確かに劇場では出来ないですね。

そこにあるのは、平成ライダー4作目にして人気が爆発した555へのこだわり。最もハードな作品でしたし、確かに悲しくも素晴らしいラストを飾った作品。

確かに劇場版の際に、乾巧こと半田健人さんが出ていたにも関わらず、あまりフューチャーされてなくて、?マークがついてましたからね。そうきたかと。半田健人さんは協力的でかつ人気があった故に何度も良い役どころで出てましたが、これは更に別格の扱いです。鎧武のライダー大戦でも神敬介Xライダーと絡んで素晴らしかったけど。

更に555本編で唯一生き残ったスネークオルフェノク海堂が客演。その飄々としたキャラそのままにファンを泣かせにかかる名演でしたよ。

555自体、ハードかつ凄まじい人間ドラマで夢のない若者の明日なき世界を作り込んだ作品だった故にこんな事ができるんでしょうね。そこにあるのは真の最終回なのかもしれませんし。

マッハ、ドライブ、555、ゼロノスそしてヒロインの霧子に絞っていたのもドラマとして作り込めた部分はありました。敵も訳のわからないキャストはいませんし、怪人軍団と仮面ライダー4号のみ。時のループの中、最強の敵として4号が登場。愛機スカイサイクロンを駆り、空から襲いかかります。まぁいなくてもお話が成立しちゃいますが、そこはライダーですからね。

この声を演じたのは、エターナル役でお馴染みの松岡さん。地獄を楽しみなとは言いませんが、上手いんですよね。主題歌も歌ってます。

余談かもしれませんが、チーターカタツムリはゲルショッカー怪人として約42年ぶりに作られた怪人。この2つの生物を合体させる怪人は素晴らしい造形。作品内でアリマンモスもでますが、こちらは今一かな…。因みにオーズのヤミーでもこのアイデアはオマージュされてます。後ヒルカメレオンはなんであんなに映画に出てくるんですかね…(笑)
滝和也

滝和也