炒飯

HiGH&LOW THE MOVIEの炒飯のレビュー・感想・評価

HiGH&LOW THE MOVIE(2016年製作の映画)
3.9
邦画でも予算と情熱を注ぎ込めばこれだけのものができるということを示してみせた、喧嘩アクション超大作。
典型的な「減点法で観るとそこまででもないが加点法で観ると青天井」の映画。アクションが好きでハマれれば100点満点で5億点は行く。

とにかく「カッコいい」が大好きなLDHのおにいさんたちによる「凄ェのが作りてえ」の結実。
鍛え抜いた美しい男たちの身体を張ったアクションは勿論のこと、衣装や背景美術の作り込みも凄まじい。
特に衣装については重要なのが「布が高そう」ということ。これ本当に大事。
布が高いから二次元チックなビジュアルであっても安っぽく見えず、ただでさえハイカロリーな画の完成度をブーストする役割すら果たしている。
コスプレ学芸会になりがちな漫画原作実写邦画たちは全面的に見習うべき。布代をケチるな。

またこれもシリーズ通して言えることだが、「こういうシーンを作りたい」「こういう画を撮りたい」の素直さ、愚直さに好感が持てる。
本作でいうと「火のついた角材を回し蹴りでブチ折るシーンをやりたいからドラム缶に角材を焚べておく」だとか「遮蔽物をブチ抜いて顔面に右ストレートブチ込むシーンをやりたいからいい感じの遮蔽物があるセットを作ってそこに辿り着くように殺陣を組む」だとかがそれ。大好き。

ドラマがクサい、知性が低い、回想シーンを繰り返しすぎてダルいといった明確な短所もあるが、アクションの楽しみを阻害する形にはなっていないため許容範囲と思う。
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