Iwa

バジュランギおじさんと、小さな迷子のIwaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

女の子が可愛すぎる…!
もう絶対に守る…最初の迷子になっちゃうところからもう泣きそうになる。

子供1人いなくなったから列車止めるってのは普通なんだけど、日本だったら絶対「そんなことで止めるな!!」ってブチ切れる人いそう…。
あと誰1人お母さんを責めないのが良かった…仕方ないもの…。

⚫︎異教徒/パキスタンへの反応
インドで食べ物とカーストは分かち難く結びついていると言われてるけど、あの家族が隣のムスリムの家から流れてくる肉料理の匂いを嫌悪してる描写は象徴的だった。
おそらくお隣なのに一切交流はないんだろうな。

あとバジュランギも、シャヒーダーがムスリムだとわかって、最初は「異教徒だ!騙された!」って言ってたし、ラシカに諭されなければパキスタンまで行ってないよな。元々の心根が(異常に)まっすぐな人でさえ、偏見は容易には拭えない。
モスクに入るのも罪だと思ってたけど、パキスタンのモスクで「神の家だから誰でも入れる」って言われて少しずつ溶けていくのよね。

お父さんも、パキスタンに行けばインド人は全員殺される、皆テロリストだくらいまで思ってるもんね…。今までの紛争やテロの記憶というのもあるけど、メディアが憎悪ばかりを率先して流す、という描写もあったね。それはどこの国も同じよな。

⚫︎シャヒーダー
バジュランギがパキスタンに渡った後もムスリム的な仕草やものをなるべく避けていたのに対し(絆されてくるが)、彼女はバジュランギの隣でハマヌーンにも祈る真似をするし、クリケットの時はインドの国旗をペイントして服着るのよな。
意味がわかってないといえばそれまでだけど、偏見がある大人たちとは対照的に、そのままを受け入れているというかね…。優しくされたらその優しさをそのまま受け取れるというかさ、ムスリムとかヒンドゥーとか関係なく。

バジュランギが嘘つけなくて、パキスタンで「塀の下をくぐって…」って言っちゃうたびにおでこペチンて叩く仕草が可愛い…

⚫︎カースト
ヴァルナ(色)というのは知ってたけど、こんなにハッキリ「色が白いからバラモンだ」って言ってるのは初めて見た気がする。

⚫︎警察
パキスタンの警察の描写もインドのとあんま変わらなかったな…すぐ叩くし吊るすし誤認逮捕を力で誤認じゃなくしようとするし…

⚫︎ナワさん
基本可愛いんだけど、あの助手?、警察に情報流してたの知ってたのに何もなく普通に合流して今まで通り仕事してるの良いよな…仕方ないってわかるもんな…

⚫︎最後のシーン
こういう、民衆の力で権力のクソみたいな意向をねじ伏せる系の展開は良いよね!
現実にはほぼないからこそというのはあるが…。

知識がアレだけど、あの最後の国境のところってカシミール付近なのかな?
であれば、いつも火種になるところが、両国の橋渡しをする場に…ってことなのね…

カシミール含めてパキスタンの風景も綺麗だったな…最初の皆でクリケット見てるシーンのほのぼのさよ…
Iwa

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