ジャッキーケン

バジュランギおじさんと、小さな迷子のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.8
口が利けないパキスタン人の少女と正直すぎる大柄なインド人青年のロードムービー!
事前情報を全く頭に入れずに鑑賞したのもあってか泣きに泣きまくった!
「クリード2」「マスターZ」に並ぶ涙腺崩壊映画!

インドとパキスタン
宗教が異なり分断された二国間状況を下地に物語は展開されていくのですが前半は迷子の少女ムンニーがバジュランギおじさんと出会い、ムンニーの帰るべき場所を模索していく、異教徒なりのヒントでおじさんがムンニーの素性を紐解いていく
本格的にロードムービーが展開されるのは後半からなのですが本筋にたどり着くまでのバジュランギおじさんのバックボーンを描き、おじさんの素性も明らかになっていく。

前半で僕が超テンションが上がったところはバジュランギおじさんの登場!
安定のボリウッドクオリティで登場するおじさんはインフィニティウォーのキャプテンアメリカ登場レベルでカッコいい!
キャップこそどんなヒーローか分かってるからあんなに盛り上がれるのにバジュランギおじさんは事前情報何もなしで「キター!」ってなるこの説得力と盛り上がりは異常
お母さんと離れ離れになってしまうムンニーの表情も開始早々泣かせにくる
正直すぎるおじさんの過去話は最高に笑える!

後半のロードムービーではインド、パキスタンに及ぶ大移動を壮大なスケールで描かれ、正直すぎるがゆえにどんどん巻き起こる問題を二人を襲う、決して暗くならずどんな過酷で険しい道のりも君が明るく照らしてくれるという劇中歌の歌詞が全体的に生きていて前向きなのが良い

連想したのは「モンスターズインク」で異世界に迷い込んだブーを大柄なモンスター、サリーが人間界に返すように本作では少女から見たらまるで異世界な隣国から大柄で優しいおじさんが家に返す、ほぼ同じように展開されていくからインド版「モンスターズインク」

ロードムービーという枠を超えた最高のエンディングはズルい!そんなん泣くに決まってるだろ!泣かない方が無理な話だ!っていうくらい怒涛の展開の連続でインドとパキスタン両国の国境、国籍を忘れ愛が世界を繋いでいく

キャストは
まずムンニーを演じたハルシャーリーマルホートラが声を出さずに感動の渦に包ませる演技力が素晴らしい。「フロリダプロジェクト」のブルックリンプリンスと並ぶ天才。バジュランギおじさんを演じたサルマーンカーンは演技派にしてはすげえ良い体してるなーって思ったらアクションをこなすからインドではアクションスター的な位置付けなのかな、ムンニーのピンチをハヌマーン拳で切り抜けていくアクションも実にインド的で立場上「アジョシ」みたいで好きでした。