不器用で残酷な愛は誰も幸せにしない。
愛だということすら伝わらない。
砂漠に咲く花のように
逞しく眩しいものに触れてしまったとき、
果てしなく暗闇で生きてきた価値観よりも
優先したいと思ってしまったとき、
何かを守りたいという初めての感情に出会う。
それでも生きなくちゃならなくて、
おいしいご飯とどうしようもない存在を
愛さずにはいられなくて、
抱きしめる以外の方法が見つからなくなる。
確かに家族だった。
最後のご飯はタッパーに入れて
持ち帰りたいぐらい。
輪廻を断ち切ってこの先はどうか
みんな幸せな形で収まってほしい。