RITO

コインロッカーの女のRITOのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
4.0
Netflixドラマ『D.P.』でのハン・ジュニ監督が素晴らしかったのでデビュー作を観てみたくなった。
監督はキャラクターを確立して魅力を引き出すのが本当に上手で、短い時間・少ない情報で人間の厚みを持たせる。説明的過ぎず、突拍子もないわけでもなく。
そして観客が望むものを見せてくれるタイミングのバランス感覚、観客を緩ませてから一気に引き締めてくる緩急のつけ方もまた本当に素晴らしく、あっという間に虜にされてしまう。

キャスト陣も素晴らしく、キム・ゴウンの魅力的な演技によって時間が進めば進むほどに彼女から目が離せなくなる。可愛らしさ、悲しさ、恐ろしさ……あらゆる感覚が混ざりあってどんどん膨らんでゆく。
他の役にも全てのキャラに味わいがあり、観終わった後でもそれぞれがしっかりと残る。

まるで野良犬の様な生き方で人生を切り拓いていく悲しい物語。
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